2023年7月1日土曜日

2年間よろしくお願いします

  昨日は、近所の神社で大祓茅の輪くぐりという行事があって、今年も半分過ぎたのかと驚いています。

 昨年末から4月までは、今年12月に刊行予定(もともとは今年6月のはずだったのがずれました)の作品の翻訳に追われ、その後、しばらくは何もしないぞと思っていたのに、べつの初校ゲラを1本チェックし(こちらは幸い9月に刊行される予定)、来年刊行のむかし話絵本の調べ物などをし、こまこました仕事をするうちに、初校ゲラが手元に届きました。

 そして、このところの何より大きな出来事は、1週間前、一般社団法人日本国際児童図書評議会(JBBY)の会長に選出されたこと。

 こういう肩書きが欲しい人もいるのでしょうけれど、私の場合は、なりたかったわけではもちろんなく、逃げきれなくて観念した、というのが正直なところです。

 あ、JBBYって何?と思った方は、こちらをご覧くださいね。 https://jbby.org/

 JBBYに入会したころ、当時会長を務めていた方は、みなすごく偉くりっぱに見えたものでした。それが、自分のところにお鉢がまわってくるとは。しかも、来年JBBYは50周年……。でも、順番なのかな、そういう年回りになったのかという気持ちもあります。

 気づかないうちに恩恵に浴していることというのが世の中にはあるものです。たとえば地域の盆踊り大会。子どもが小中学生のころ、中学校の校庭にやぐらを建て、ちょうちんを飾り、テントをはり、夜店用に2日間、毎日400食のカレーを作るなど、5、6年はボランティアをしていました。また、谷根千地域の不忍ブックストリート主催の一箱古本市だって、実行委員の方々の無償の尽力で成り立っています。それを大事に思う人たちによって支えられ、継続されていることはたくさんあります。日本翻訳大賞とかね。

 長く翻訳をし、子どもの本にかかわってきた私としては、JBBYが存在していることは大事なこと、という気持ちがあります。さまざまな視点から子どもの本のことを考え、人権や子どもと本の自由や多様性を大切にし、世界規模で誰ひとりとりのこさないで本を届けることを考える組織はほかにないから。だから、やるっきゃないとも思うわけです。不安に揺れながらも。

 3期6年会長を務めたさくまゆみこさんは在任中ずっと、翻訳をする時間がないと嘆いていらっしゃいました。私にとっても、本業である翻訳とどう折り合いをつけていくかが最大の課題です。どうなるでしょう。

 つい先日、理事としてかかわっているNPO法人で、自分のヘマが原因ですが、へたりそうになることがありました。そんなことがあると、翻訳の時間を削ってこういうことをして、自分はいったい何をやっているのか、そんなのは自己満足、単なる思い上がりでは、という気分にもなります。いろんな人がいるんだなとも、思い知ります。

 だけど、これもめぐりあわせ。抽象的なこと、具体的なこと、ポジティブなこと、ネガティブなこと(これは少ないといいけれど)、さまざまな出会いを期待する心持ちを持ち続けられたらと思っています。

 どうぞみなさま、お手やわらかに。

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