2020年3月17日火曜日

紙芝居『ドラゴンのバラ』

 スペイン・カタルーニャのサン・ジョルディ伝説に基づく紙芝居が発売になりました。

『ドラゴンのバラ』
脚本 あべしまこ
絵 スズキコージ
再話 宇野和美
童心社 2020.2

 スペインの昔話で紙芝居を、というのでいただいたお話でしたが、紙芝居ははじめてでわからないことだらけ。いくつか提案するも、どれもボツ。結局、編集者さんが最初に候補として目をつけていた、サン・ジョルディ伝説で作ることになりました。ドラゴン、おひめさま、真っ赤なバラの華やかさも紙芝居に向いているとのこと。

 そこで、留学時代に手に入れた、サン・ジョルディの日についてのカタルーニャ州政府発行のパンフレットなどを参考に、手とり足とり教えていただいて、ようやく原稿を書きました。

 ただ、原稿と言っても、初心者の私は原作までで、脚本にしたててくださるのは専門の方。脚本の方に原稿をパスしてからは、あとは楽しみに待つだけでした。「カタルーニャと『サン・ジョルディ伝説』」というちょっとした解説も書きましたが(⑤の紙に載っています)。

 紙芝居の大きな紙に書かれたコージさんの絵は、構図も展開も色使いも驚くことばかりり。本当にすばらしいので、ぜひ図書館などでさがしてみてください。
 これで、サン・ジョルディ伝説と言えば、この紙芝居を紹介できます。

バルセロナの小学校で、次男がサン・ジョルディの時に作ったプラスチック粘土のバラ。
柏の児童書店ハックルベリーブックスさんで3月22日から4月4日まで開催の「かみしばい展」に、何枚か原画が展示されますので、このような時ですが、ご都合のつく方、ぜひお運びください。
 4月19日(日)に予定されている「柏サンジョルディの日」のイベントでも、読んでいただけるそうで、とても楽しみです。
 この紙芝居で、本の日をもりあげていきたいと思います!
 

2020年3月5日木曜日

『イデアル〈改訂新版〉』と『うりぼうウリタ』


『イデアル〈改訂新版〉』
著者 宇野和美、平井素子、Paula Letelier 
出版社 同学社
2020.2.1 

 4年前に出版したスペイン語の教科書『イデアル』の改訂新版が、この春刊行になりました!
 初版刊行後、大学で使ううちに、「こうしたほうがよかった」とか「こんなものもあればよかった」と思う部分があり、共著者の平井素子さん、パウラ・レテリエルさんと、2年ほどかけて見直しをし、仕上げたもの。
 週1、2回だけ第二外国語でスペイン語を習う平均的な大学生が、1年間でここまでは身につけてくれるといいなと思う要素にしぼりこんだ、シンプルなつくりです。手一杯な内容を積み残して進むより、基本をしっかり身につけて達成感をもって学ぶほうがいいと、何年かの経験から実感して、こんなふうになりました。

 自慢は、最初の版と同じく、イラストをおくやまゆかさんが描いてくださったこと。マンガで活躍するおくやまさんに、もうしわけなく思いつつ(という割に、ずうずうしく……)、今回も表紙絵やいくつかの新しいカットを描いていただきました。
 語学教科書には異色の軽やかさ、楽しさ、明るさで、少しでも教科書を開いてくれるといいなと思います。

 また、今回、文化紹介の写真をいくつか差し替え、昨年10月に他界した大学時代の友人の撮ったサンティアゴ巡礼の道の写真も3点入れました。数年前に巡礼の道を踏破したとき写真をFacebookにあげていたので、できたら掲載させてもらえないかと頼むと、「うれしい!」と言って、選んでくれました。
 私はこの教科書を使う機会はなさそうだけれど、載せられてよかった!

 おくやまゆかさんは、この2月に幼年童話『うりぼうウリタ もりのがっこう』(偕成社)を刊行しました。あわてんぼうでくいしんぼうのかわいいウリタのお話、おすすめです!

 こうして2冊並べると、いとこ同士みたいだね。