2024年5月6日月曜日

『アチケと天のじゃがいも畑』

 


『ペルーのむかしばなし アチケと天のじゃがいも畑』
文:宇野和美
絵:飯野和好
BL出版
2024年3月

 BL出版の「世界のむかしばなしシリーズ」第3弾の1冊として、ペルーのむかしばなし絵本が少し前に刊行になりました。
 前に、スペインの昔話を、というご依頼で、カタルーニャの昔話『まめつぶこぞうパトゥフェ』に取り組み、今回はラテンアメリカの昔話をと、2年前にお話をいただき、とりくんできたものです。
 ラテンアメリカの昔話は、玉川大学出版部刊行の『火をぬすんだウサギ アルゼンチン ウィチーのおはなし』も以前に再話したことがあります。あのときは、ラテンアメリカの動物が出てくる昔話という依頼でしたので、今回は人間の物語がいいなと、ぼんやりと考えていました。

 ラテンアメリカの昔話は見かけるごとにあれこれ買い集めてきたので、手元にはさまざまなアンソロジーがあります。でも、絵本にするとなると、物語としてのおもしろさや、32ページ15見開きプラスアルファにできる長さと起伏、絵にしたときの見栄えや美しさなどが必要になって、どれもこれもというわけにいきません。
 結局、いくつか提案したなかから、ホセ・マリア・アルゲダスとフランシスコ・イスキエルド=リオスのMitos,leyendas y cuentos peruanos『ペルーの神話と伝説とむかしばなし』に入っていたEl Achiqueé というお話を絵本にすることになりました。
 そして、編集の鈴木加奈子さんのご提案で絵は飯野和好さんに描いていただけることになりました。翻訳は、もうできあがったものを訳しますが、今回はどんな絵が出てくるかわからないので、とても楽しい仕事でした。

 飯野さんの迫力満点の絵とお話をどうぞ楽しんでください。