2021年7月14日水曜日

7月14日・・・

 


27年前の7月14日は朝からからりと晴れて、夏らしい日差しがぎらぎらしていました。覚えているのは、その日、末っ子が生まれたから。
へその緒が首に巻きついて出てきて、すぐには産声をあげなかったけれど、助産師の野本寿美子さんがおでこに水をぴしゃっとかけたら泣きはじめたのでした。

誕生日くらい祝いたくて、「プレゼントに欲しいものある?」とラインしたら、何日かしてリクエストしてきたのはオーブンレンジ! 
就職してから、しばらくシェアハウスにいたけれど、1年少し前から一人暮らしを始めて、今はいろいろ作っているらしい。予算オーバーだけど、料理をつくる男になったらうれしいので奮発しました。
何ができるか、興味しんしん。

今日の午後1回目のワクチン接種をしたこともあって、夜は自分でご飯を作るのがめんどうになって、近所のイタリアンへ。次男の誕生日だしと、勝手な言い訳で禁を破って食べた黒こしょうのジェラートが絶品でした!

おめでとうを言えるのは幸せなことだなあ。



2021年7月7日水曜日

ひとり桃

 


今年初めて桃を買いました。

家族5人で暮らしていたころ、桃は、そんなにいつもいつも買う果物ではなかったので、桃をむくと、桃が好きなつれあいと次男の2人に切り分けて、私には種しか残りませんでした。
種をしゃぶって、「今日のはあたりだった」とか「はずれだった」とか。
だからといって、悔しいわけではなくて、2人がおいしそうに食べれば、それで気がすんでいたのでした。

だから、今朝のように、まるまる1個の桃を一人で食べると、すごくぜいたくをしているような気持ちになり、「一人だなあ」としみじみ思います。

桃といえば、今でも忘れないのは、桃売りトラック事件。
住んでいたマンションのちょっと先の角に、ときどき「桃7つ500円」といって軽トラックが売りにきました。
あやしいし、なんだか恥ずかしくて、私は買いたくなかったのですが、桃好きの次男が「ねえ、買ってみようよ」としきりに言うので、「じゃあ、あなた行ってきなさい」と、とうとう500円持たせて送り出したのでした。
ところが、次男はしょんぼり手ぶらで帰宅。
「どうしたの?」とたずねたら、「梨になってた」
うちじゅうで、お腹をかかえて笑いました。
果物を売っているトラックを見かけると、今でも思い出して笑ってしまいます。
次男が中学生の頃だったかな。
彼はもう忘れてしまっただろうけれど。

子どものころ、私も桃が大好物だったようです。大人になってから、夏に実家を訪ねると、「桃太郎さんに桃を買ってあるからね」と言って、母が桃を買って待っていてくれました。
「やめてよ、お母さん」と、いつもすげなくしていたけれど、喜んでくれるときに食べたらよかったな。今日みたいに。

今日は、初めて紫蘇シロップというのをつくりました。
炭酸水でわったら爽やか。香りがとばないうちに楽しもう。


2021年7月4日日曜日

『2枚のコイン』

 


『2枚のコイン アフリカで暮らした3か月』
ヌリア・タマリット作
吉田恵訳
花伝社

版元ドットコム紹介文より
“泥棒”はいつも、「金」目当て――
大国による搾取が蝕む、美しい世界

17歳、片時もスマホを手放せない“今どきの若者”マル。ボランティア支援リーダーの母親に連れられて、スペインからセネガル北部、ウォロフ族の村にやってくる。そこは、マルの知らない自由で彩られていた。

「みんなで所有すれば、貧しさで死ぬ人なんかいない」
本当の豊かさとは、支援とは。

SDGsを考えるヒントが詰まった、スペイン発グラフィックノベル


花伝社より、スペインの新しいコミックが刊行になりました。表紙のみかん色(黄土色?)がはえて、とても感じのよい本になりました。
タイトルの「2枚のコイン」の意味は、作品の最後のほうで明らかになります。

この作品は、2019年にスペインのブックフェアLIBERに招待されたとき、書店で見て気に入り、購入したもの。SDGsや開発途上国の支援について考えさせる内容だし、日本人にも受け入れられやすそうな絵柄だと思いました。そして、同時期に花伝社の編集さんもバスクのコミックフェアで出版社から紹介されて注目していて、とんとん拍子で出版が決まりました。

翻訳勉強会にずっと参加している吉田恵さんが、翻訳してくださったのもうれしいことでした。なかなかこういう機会はないので。巻末の解説もとてもいいです。
花伝社のグラフィックノベルの判型だと原書よりもややこぶりになるため、ネームが小さくなりすぎると年寄りにはキツいのですが、簡潔に訳して、それなりの大きさの字になってよかった(笑)

一般向けですが、高校生くらいから手軽に読めそうです。学校図書館にもぜひ!
スペインのコミック、まだまだおもしろいものがありますよー。

多くの方に手にとってもらえたらうれしいです。