2021年7月4日日曜日

『2枚のコイン』

 


『2枚のコイン アフリカで暮らした3か月』
ヌリア・タマリット作
吉田恵訳
花伝社

版元ドットコム紹介文より
“泥棒”はいつも、「金」目当て――
大国による搾取が蝕む、美しい世界

17歳、片時もスマホを手放せない“今どきの若者”マル。ボランティア支援リーダーの母親に連れられて、スペインからセネガル北部、ウォロフ族の村にやってくる。そこは、マルの知らない自由で彩られていた。

「みんなで所有すれば、貧しさで死ぬ人なんかいない」
本当の豊かさとは、支援とは。

SDGsを考えるヒントが詰まった、スペイン発グラフィックノベル


花伝社より、スペインの新しいコミックが刊行になりました。表紙のみかん色(黄土色?)がはえて、とても感じのよい本になりました。
タイトルの「2枚のコイン」の意味は、作品の最後のほうで明らかになります。

この作品は、2019年にスペインのブックフェアLIBERに招待されたとき、書店で見て気に入り、購入したもの。SDGsや開発途上国の支援について考えさせる内容だし、日本人にも受け入れられやすそうな絵柄だと思いました。そして、同時期に花伝社の編集さんもバスクのコミックフェアで出版社から紹介されて注目していて、とんとん拍子で出版が決まりました。

翻訳勉強会にずっと参加している吉田恵さんが、翻訳してくださったのもうれしいことでした。なかなかこういう機会はないので。巻末の解説もとてもいいです。
花伝社のグラフィックノベルの判型だと原書よりもややこぶりになるため、ネームが小さくなりすぎると年寄りにはキツいのですが、簡潔に訳して、それなりの大きさの字になってよかった(笑)

一般向けですが、高校生くらいから手軽に読めそうです。学校図書館にもぜひ!
スペインのコミック、まだまだおもしろいものがありますよー。

多くの方に手にとってもらえたらうれしいです。

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