2019年4月9日火曜日

味噌づくりも進化する

「寒仕込み」という言葉があるのに、桜が咲いてしまって、あわてて今年の味噌を作った。初めて作ったのがいつだったか、忘れてしまったが、大豆と塩と麹だけで、こんなにおいしいものができるのかと感動し、以来やみつきだ。



料理は実用をかねた唯一の趣味のようなものだが、私の料理は何につけおおざっぱだ。「正確に測るのが基本」というのを聞くと、ちゃんちゃらおかしいと思ってしまう。だって、料理本を何冊か読めば、どれも分量が違う。でも、いろんなレシピを読みあさるうちに、その料理のポイントと思われる手順や分量が見えてきて、そこさえ外さなければ、たいがいそれらしいものができる。道具も材料もありあわせで、勝手にアレンジするのが家庭料理の醍醐味だ。

だから、味噌づくりも同じ。やり方がだんだんと進化してきた。
最初に作ったときは、大豆はミキサーかすりばちでつぶす、と本にあったので、正直にそのとおりにしたところ、ミキサーはすぐにつまるし、すりばちははかがいかず往生した。
そこでほかの本を読むと、ビール瓶でつぶすというのがあったので、翌年はワインボトルでやった。でも、考えてみたら、べつにボトルじゃなくてもいいんじゃない、というのに気づき、今は布袋に入れて、麺棒でつぶしている。これがすばらしくよくつぶれて、手早くすみ、どんなもんだい、という気持ちになる。
布袋は、景品でもらったエコバックでもいい。裏返して、縫い目を外にしたほうが、縫い目に大豆がつまらなくていい。


次男が小学5年生のとき、PTAの学年親睦行事で陣頭指揮をとって味噌を作ったことがある。そのときは、小さなビニール袋に、おたまに1杯ずつ大豆を入れて、各自指でつぶしてもらった。子どもたちはおもしろがって、あっという間にできた。
大豆と塩と麹のまぜ係をした人に、「大豆をさわってたら、肌がしっとりなった!」と言われ、美肌効果があるのを知ったのはこのとき。確かに、まぜ終わると、心なしか肌がすべすべになった気がする。


味噌をおいておく容器への詰め方も進化した。最初は容器に直に入れていたけれど、今はビニール袋に入れて、上をゴムでゆわえておく。直だと、いくら上に焼酎で濡らした和紙を置いておいても、すぐにカビてしまってたいへんだったけれど、ビニール袋だと、まずその心配がない。数週間ごとにまぜるたび、「ほうら、カビてないよね」と、ここでまたうれしくなる。


スペインにいたときも、一度味噌を作ったが、5Lの水の入っていたgarrafa という特大ペットボトルの上を切って入れ物がわりにした。重石がわりにペットボトルを使うことはこのとき思いついて、今も利用している。

そんなこんなで、今年も完了。
ねかしているうちに、おいしくなるというのが、なんともうれしい。
あとで親しい人に配り歩くことを考えて、今からわくわくしている。

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