2018年9月21日金曜日

母の里帰り

母の実家の近く。香川県は山が丸っこい。
姉とともに母を連れて、香川県三豊市と直島に行ってきました。今年の夏最後の、そして私たちにとってはとても大きなイベントでした。

三豊市山本町辻は母の郷里です。母がそこで過ごしたのは女学校のときだけですが、母の両親のお墓があります。また、昨年亡くなった父の初任地だったのが、香川県の直島で、入社から2年ほどで結婚した(はやい!)父が、母と新婚時代を過ごしたのもこの島。
縁のあるベネッセが開発を始めてから、いつか行こうとずっと誘ってきましたが、結局父は行けずじまいでした。せめて母は連れていきたいと、姉とどうにか日程を合わせて実現しました。

新幹線で岡山まで行き、観音寺まで特急で1時間。昔、岡山ー宇野ー(宇高連絡船)-高松ー観音寺と、まわっていたときとは段違いの速さです! 観音寺から山本町までは、叔父の車で20分ほど。
何かというと「山本に帰ろうかしら」と口にする母ですが、着いてみると、かなり混乱し、山本にいるという実感があったのか、なかったのかも不明です。でも、お墓に、朝鮮で亡くなった母親の名があったのがうれしかったらしく、そのことばかり繰りかえしみなに話していました。

翌日は、母の妹夫婦と直島に渡り、弟夫婦とも合流。高速船には、おしゃれな若い人がいっぱい! 
直島勤めのつれあいがレンタカーを借りて、家プロジェクトや地中美術館など、島内のスポットを解説つきで案内してくれたのは、ほんとうにありがたいことでした。

高松からの高速船が着いた本村の港

最後の日は、ベネッセハウスミュージアムのあと、両親が住んでいたあたりへ。前日昼ごはんを食べたお店の大将が、昔、父と同じ会社に勤めていたとのことで、母の話によく出てくる所長宅、家族寮、購買部、パーマ屋やさんなどが、どのあたりだったかを教えてくれたのは幸いでした。60年前の面影はほとんどないようでしたが。父が、夏になると工場が終わったあと(朝が早いかわり、3時半か4時には終わっていたらしい)、浜から泳いでいたという灯台は、宮浦港にある2つの小さな灯台の間あたりに昔あった灯台だろう、ということなど、教えてもらわなければわからないことでした。
父が泳いだと思われる小さな浜

この赤い灯台の左のあたりに、昔は灯台があったらしい
ベネッセハウスミュージアムは、ひとりで見たのではさっと通りすぎてしまいそうだけど、説明してもらうとふーんと思うものがいっぱい。
柳幸典「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム」「バンザイ・コーナー」とか、リチャード・ロング「瀬戸内海の流木の円」とか、また見にいきたいなあ。

杉本博司「タイム・エクスポーズド」の一部

安田侃「天秘」から眺める

特別何をしたわけでもないけれど、ずっと東京にいなくてもいいなという気持ちが強くなった旅でした。両親の住まいの片付けが終わって、モノを持つことにネガティブな気持ちが強くなっているのかも。
若いときと違った意味で、自分はどこまで行きたいのだろうと考えています。

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