2015年6月7日日曜日

ジュンク堂池袋本店1F フェア「翻訳者が選ぶ世界の子どもの本」始まりました!



ジュンク堂池袋本店1Fでのフェア「翻訳者が選ぶ世界の子どもの本」が、昨日6月6日に始まりました。
1階のエレベーター前に、こちらの写真のように並んでいます。







「世界の」と言っていますが、カバーしているのは以下の地域。

アフリカ大陸(さくまゆみこさん)
ドイツ語圏(那須田淳さん)
オランダ語圏(野坂悦子さん)
スペイン語圏(宇野和美)

地球儀の右上に、チラリと見えているのは、イソール作『うるわしのグリセルダひめ』。私が選んだスペイン語圏は、右奥の部分に並んでいます。

選者4人が集う6月20日(土)のイベントは、すでに満員御礼、キャンセル待ちですが、自分の選んだ本についてそれぞれが書いた解説をまとめた冊子も、もうじきできるはずです。
以下は、私の解説の冒頭部分です。
 スペイン語圏は、スペインと、中南米などの約20カ国に広がります。母語話者は4億人以上おり、1960年代からガルシア=マルケス、バルガス=リョサなど、ラテンアメリカの作家たちが世界文学に大きな影響を与えてきましたが、児童文学に関しては日本ではたいへんマイナーです。
 ここ10年の年間の刊行数を見ても、英語からの翻訳は毎年何百点もあるのに対して、スペイン語はひと桁という寂しい現実があります。スペイン語圏は日本人にとってなじみが薄く、欧米ほど興味を持たれないという傾向は根強くあるようです。
 でも、だからこそ読んでみてほしいもの。英米の子どもの本とはどこか異なる違和感、「ひっかかり」を含めて受けとめ、世界の広さ、多様性を感じてもらえたらと思います。外国のものと言っても、私たちは口当たりのよいものから手にとりがちですが、そうではないものも含めての多文化です。異質なる他者を通して、私たちは自分を知ることにもなります。ここに並べた本の中の「物語」が、新たな出会いのきっかけになれば嬉しいです。
ちょっときばっていますが、基本は、「翻訳児童文学、おもしろいのになあ」という気持ちです。この80冊あまりの本だけでも、たくさんの窓が開くことでしょう。

7月10日の午後4時までですので、お近くにいらしたらのぞいてみてください。
お待ちしています!


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