『ガウディ わすれられない夏』
カルラ・タボラ、ロサナ・ファリア作
鳥居徳敏 日本語監修
小学館
2026.4.27
今年初めての訳書です。
今年はガウディ没後100年の記念の年ということで声をかけていただき、訳すことになりました。ガウディの絵本は、以前に『ガウディさんとドラゴンの街』(パウ・エストラダ作、社会評論社、2023)も翻訳しているので、内容が重複していたらお断りしなければと思ったのですが、前の本は晩年のガウディを描き、こちらは少年時代を描いていることなどから、お引き受けしました。
この絵本は、少年が描かれた、明るい色合いのさわやかな表紙がまず目をひきます。
少年アントニ・ガウディが中学校にあがる前の夏の最後の1日という形で、子ども時代のガウディがどんなものを見て、どんなものにひかれていたか、どんな少年だったかが描かれます。
父親が作る銅製品、木や鳥や虫の形や色をじっくり観察し、貝殻やクモの巣などの造形にひかれるようす、海をめぐる思索など、2人の作者は、将来の建築家ガウディの土台となっているであろう少年時代のガウディを想像し、美しい絵本をつくりあげました。
翻訳で苦労したところは(トークで、よく聞かれる質問!)は、最初と最後は三人称の語りですが、主要部分は少年アントニの一人称で書かれているのを、どのように自然に、混乱なくつなげるかでした。ある程度、複雑なことを語ってもおかしくない11歳の少年だったので、一人称の語り自体は、かなり自由がきいた(もっと年少の人物の語りだと、語彙や構成などもっとむずかしい)ので、楽しく訳せましたが。
ガウディの没後100年にあたるこの夏、少年時代のガウディに触れてみてはいかがでしょうか。
今年はこのあと、絵本2点の刊行が決まっています。どうぞお楽しみに。

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