2015年12月23日水曜日

スペイン語教科書 IDEAL完成! 



スペイン語教科書「IDEAL」(同学社)がとうとうできました! 第二外国語でスペイン語を勉強する、ごくフツーの大学生を対象とした教科書です。
「一緒に教科書を書きませんか?」と2年前に声をかけられて、安請け合いで引き受けたものの、書きます、書きますと言いながら、なかなか原稿を書けず、共著者に本当に苦労をかけました。最後は、互いの家に泊まりあっての作業にもなりました。

IDEAL (理想的な)などという、大それた名前は、「なるべく簡潔でいいやすい、できたら1語の名前を」という編集者からの要望を受けて、最後の最後に決めたものです。

表紙とたくさんのカットを描いてくれたのはおくやまゆかさん。私の訳書『ふたりは世界一!』の挿絵を描いてくれた方です。「こんなイラストがあったら、開きたくなるよね!」という絵がいっぱいで、感謝、感謝です。このおくやまさん、先月末には『たましいいっぱい』で、文化庁メディア芸術祭マンガ部門の新人賞を受賞という、うれしいニュースも飛びこんできました。
下記に、案内用に書いたレターを添付します。
今は、できてうれしいばかりですが、来年、使った大学生や先生からの感想などをもらえたらうれしいなあと思っています。

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2015年12月


 このたび、大学用スペイン語教科書『IDEAL』を上梓いたしました。よろしくご高覧いただければ幸いです。
 第二外国語の授業を担当する教師は、いつでもたくさんの課題をかかえていることと思います。どうやってモチベーションを保たせられるか、どうすれば混乱させずに基礎を身につけさせられるか、どうすれば受け身ではなく主体的に、もっと学びたい、表現したい、スペイン語圏について知りたいと思ってもらえるか――そんなことを考え考え作った教科書です。理想どおりにできたかどうかはわかりませんが、いくつかの新味のある、感じのよい本になったかと思います。

 次に、特長と、執筆の際に意図したことを、かいつまんで説明させてください。
 各課4ページの本課と、ステップアップ文法と称する、2課ごとのまとめのページの構成です。12課の本課を学ぶだけでもかまいません。ステップアップ文法のページはオプションとして、時間数や学生の力を見て使用するよう考えています。
 文法ページで工夫したのは、重要表現を「キーフレーズ」としてとりだし、単純な置き換え練習等で定着できるようにしたこと、赤字を用いてポイントをつかみやすく示したこと、文法ページの例文の直接目的語、間接目的語をそれぞれ波線と点線で示して、自動詞と他動詞の違いを意識させるようにしたこと、イラストを用いて基本語彙を楽しく印象づけられるようにしたことなどです。
 練習問題には、ペアワークやリスニングも取り入れて、耳や口を使って学べるよう配慮しました。ネイティブ講師と使用しやすいように、文法事項や練習問題の問題文は、スペイン語を併記してあります。
 スペイン語圏全体に興味を持ってもらえるよう、カラー写真を多数載せ、「異文化リテラシー」のコーナーで、文化や習慣、日本との違いなどを解説し、関連した本や映画の紹介も載せました。相手を知ろうとする態度を大切にしています。
 それに、私たちがとても気に入っているのはイラストです。学生たちが、おもしろがって手にとり何度も開いてくれたら、しめたものと思っています。

 来年度の授業での使用をご検討いただければ、また、ご興味がおありの方に、ご紹介いただければ幸いです。ご意見などありましたらお寄せください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

宇野 和美     
平井 素子     
パウラ・レテリエル