スペイン語圏の本屋に入ったとき、まず最初に考えるのは、「日本でも手に入る本」か「日本では手に入らない本」かということだ。
スペインに某密林書店が進出してから、日本にいながらにして手に入るスペイン語の作品は驚くほど多くなった。自分が若い頃のことを思うと、(当たり前だが)隔世の感がある。
日本で手に入る本なら、わざわざ旅先で買って、重さを気にしながら持ち帰ることはない。買うなら、日本で手に入らない本がいい。
中南米のスペイン語圏の書店で並んでいる本は、オリジナル言語がスペイン語でも、もともと出版されたのが、その国ではないことが多い。スペインで作られた本だと密林で買えることが多く、そういう本を買ってしまうと、あとでがっくりする。
そんなわけで、モンテビデオで、一番充実した書店と言って連れていったもらったMás Puro Verso でも、まずは日本では手に入らない文学作品を探した。
しばらく棚を見ていると、その本屋が、ジャンルや作家の出身国について、どのくらい意識しているか、見えてくる。文学の棚が、スペイン語(その国、それ以外のスペイン語圏)と海外に分かれていると嬉しくなる。でも、分かれていなくても、テーマやジャンルで刺激的な棚になっていることもあって、へーっと思うことがある。
棚を見ていたら、「読んでくれ」と呼びかけてくる本があるものだ、という知人がいる。あやかりたいが、私はいっこうにそういう境地に達しない。だから、本屋さんに入ってしばらく見てから、店員さんにおすすめの本を教えてもらうのが好きだ。そうすれば、思わぬ本に出会う楽しみがある。
いきなり「おもしろい本をすすめてください?」と聞いたのでは向こうも困るだろうから、もうちょっと絞り込む。この本屋さんでは、「長く読み継がれているウルグアイの児童文学作品」と「ウルグアイの現代の女性作家の作品」を、紹介してもらった。本を見せてもらいながら、スペインだとこういう作品が好きなんだけどとか、この作家のこれがおもしろかったとか、このジャンルは苦手だとか、自分の好みを話していくと、それならこれはどう?などと、話題が広がっていく。
たとえば、この書店では、こんな本や、
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ウルグアイ児童文学の古典的作品。 |
こんな本を教えてもらった。
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1975年生まれの女性作家の作品。ロードムービーのよう。 |
モンテビデオに行く機会があったら、ぜひお立ち寄りください。
Más puro verso
Peatonal Sarandí 675
初めてコメントさせて頂きます。私は拙いスペイン語学習者及び通訳案内士です。
返信削除一昨年、ペルーの空港で買ったフリーダカーロの本を宇野さまが訳されたそうで嬉しく思っております。失礼します。