2017年2月5日日曜日
子どもによりそって60年 西野さんのこと
調布のたづくりで開催されていた「子どもによりそって60年 西野みのりがのこしたもの」を、先週の木曜日に見てきました。
西野さんと出会ったのは、1996、7年ごろ。子どもの本の翻訳を始めて、もっと学びたい、仲間がほしいと私がもがいているときでした。「調布の図書館をもっともっとよくする会」が、調布の中央図書館の民営化反対運動のために作っていたチラシの中で、「調布子どもの文化ねっとわーく やかまし村」という、子どもと本に関係する人たちの集まりがあるのを知って、たずねてみたのがきっかけです。
深大寺のたんぽぽ文庫のご夫婦を中心に、市内で文庫をしている方、学校や児童館で読み聞かせをしている方などが集まった「やかまし村」のメンバーのなかに、西野さんがいらっしゃいました。
小学校教員として定年まで勤め上げたあと、語りや読み聞かせ、絵本づくり、自然観察など、毎日精力的に動いていらっしゃる方でしたが、おいくつになっても好奇心旺盛で、おしゃべりをすると、「そう、すてきすてき」と、しきりに感心しながら聞いてくださるのでした。
一昨年の11月に亡くなられたというのを聞いたとき、享年84歳とうかがって、私の両親よりも1つお年が上だったというのを初めて知りました。まるで仲間のように接してくださっていた西野さんが、自分の親よりも年上だったとは。
「かにかに、こそこそ」や「番ねずみのヤカちゃん」など、アルトの静かな声で楽しげに語る西野さんの語りは絶品でした。
やかまし村は、数年前に解散になりましたが、最後の数年、「秋の遠足」を実施していました。Nさんと私が担当で、上野の国際子ども図書館、鎌倉、三鷹の星と森と絵本の家、ちひろ美術館など、子どもや本とゆかりの場所を訪ねましたが、普段早起きらしい西野さんが、11時半ごろになると必ず「おなかがすいた」というので、昼食をとれる場所があるか、おやつを食べる場所があるかと、下調べに苦心したのがなつかしい。
最後にお会いしたのは、2012年に調布の西部公民館の絵本と童話の会でスペインの絵本の話をと呼んでくださったときでしょうか。やかまし村や西野さんを通して、多くの人に出会いました。
今回会場では、やかまし村のメンバーのなつかしい人たちにも会って、思い出話に花が咲き、ご縁のありがたさを痛感してきました。
(西野さん、すてきねぇと言ってくれるかな)と、訳書を出すたびにこれからも私は思い続けることでしょう。
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