『もしぼくが本だったら』
ジョゼ・ジョルジェ・レトリア文
アンドレ・レトリア絵
アノニマ・スタジオ
本体価格1800円
「もしぼくが本だったら……」ではじまる、詩的な文章と現代的なイラストレーションが魅力の、ポルトガル生まれの絵本。広い世界で心が迷子になったときにそっと私たちに寄り添って、新たな道やヒントをくれる「本」の力をあらためて感じる一冊です。 (アノニマ・スタジオHPより)『はしれ! カボチャ』(エバ・メフト文、宇野和美訳、小学館)で、大きなカボチャと、網タイツに赤いハイヒールの元気なおばあちゃんの絵を描いたポルトガルのイラストレーター、アンドレ・レトリアさんの2冊目の翻訳絵本です。
(保育士をしている友人は、敬老の日の頃、おじいちゃん、おばあちゃんが園に来るときに、いつもこの『はしれ!カボチャ』を読み、「いつまでもこんなすてきなおばあちゃんでいてくださいね」と、しめくくるそうです。子どもも大人も大喜びするすてきな絵本だと言ってくれます。もう10冊以上売ったよ、とのこと。ありがたやー)
バルセロナの書店で、レトリアさんの名前を見てこの本のスペイン語版を手にとったとき、オリジナルがポルトガル語だったので買おうかどうしようか、ちょっと迷いました。だけど、感じのよさそうな本だったので、ゆっくり見たくて買って帰ったのが、たぶん2年前の秋。でも、ポルトガル語だしね、詩だしね、と積極的に売り込んだわけではなかったのですが、偶然が重なり、翻訳をさせてもらえることになりました。
ポルトガル語の翻訳家の知人の手前、申し訳なさもありますが……すてきな絵本になってうれしい。
本好きの方へのプレゼントにもどうぞ!
おもしろいのは、読む人によって引用するページが違うこと。この言葉が好き、この絵が好きと、言われるとうれしくなります。
文を書くのが好きな人、絵を描くのが好きな人がそれぞれ、自分の「もしぼくが本だったら」「もしわたしが本だったら」をつくっても楽しそう。
この本の刊行が決まるなり、代官山蔦屋書店の児童書コンシェルジュ山脇さんが、トークショーを企画してくださいました。昨年『太陽と月の大地』(福音館書店)が出たときから、いつかイベントを、と声をかけていただいていたのが、今回ようやく実現しました。『マルコとパパ』のときの投稿と重複しますが、再度ご案内します。
◆3月24日(土)19:00~
代官山えほんのはなし
『マルコとパパ』(偕成社)『もしぼくが本だったら』(アノニマ・スタジオ)刊行記念
「父と子」について語る
@代官山蔦屋書店 1号館2Fイベントスペース
参加費:1000円
→イベントお知らせページはこちら
「父と子」により本となった、今回刊行の2冊についてはもちろん、翻訳をするようになったきっかけ、これまで訳してきた本のこと、子連れ留学のこと、マイナー言語の翻訳者のサバイバル、子どもの本・スペイン語圏の本への思いなど、いろいろお話する予定です。
当日とびこみでも大丈夫そうなので、どうぞいらしてください。