〜チリの国際アンデルセン賞候補作家マリア・ホセ・フェラーダさんを迎えて
というタイトルで、8月15日に神保町のブックハウスカフェでトークイベントを開催し、聞き手と通訳をつとめました。
ガブリエラ・ミストラルのノーベル賞受賞80周年を記念した使節団として来日を機に、東京でもお話していただけるということで企画したものです。
ご来場いただいたみなさま、オンラインでご視聴のみなさま、ありがとうございました。
ラテンアメリカの中でもチリは特に遠くて(片道30時間かかります)、子どもの本の作家や画家が来てくれる機会はめったにありません。しかもフェラーダさんは、IBBYが主催の、2026年国際アンデルセン賞のチリ選出作家賞候補なので、JBBY(日本国際児童図書評議会)でもお迎えしたかったのですが、お盆の時期のため、残念ながらその機会は持てませんでした。
トークでは、冒頭で5月に私が訪れた首都サンティアゴのBILIJ図書館を少しだけ紹介したあと、和訳のあるフェラーダさんの本4点を紹介。
「せん」にこだわりのあるマヌエルくんの1日を描いたピクトグラムつき絵本
『いっぽんのせんとマヌエル』パトリシオ・メナ絵 星野由美訳 偕成社 2017
「休日にマヌエルくんは何をしているの?」という子どもたちの疑問から生まれた日本オリジナルのシリーズ2巻目『いっぽんのせんとマヌエル ピクニックのひ』同 2020
ボローニャ絵本原画展に入選した日本のイラストレーター、コクマイトヨヒコさんの絵にあとから文章をつけた、スペインで刊行の2ヶ国版。
『Los animales eléctricosでんきどうぶつ』宇野和美訳 A buen paso 2018
BIBグランプリに輝いたチリのパロマ・バルディビアさんの出版社リエブレ刊行の仕かけ絵本。『ぴぅ!』マグダレナ・ペレス絵 星野由美訳 ワールドライブラリー 2021
そのあと、本とどのように親しんできたか、子どもの本を書くようになったきっかけ、テーマへのアプローチなど、いろいろお話をうかがいました。
お父さんが「読者クラブ」に入っていて、本が届くのを楽しみにしていたこと、15歳ちがいの弟さんが生まれて、弟さんにお話をつくってあげたことなどなど、興味深いお話をたくさんうかがえました。
後半は、フェラーダさんの未訳作品を、朗読をまじえて紹介していきました。
マリア・エレナ・バルデス絵 Liberalia 2020(2013)
アナ・ペニャス絵 Tecolote/Alboroto 2017
簡素で余韻のある言葉がきわだつ美しい巻物型絵本 Un jardín (ある庭)
イシドロ・フェレール絵 A buen paso 2016
夢と希望のある未来が広がる、イラストもおしゃれなFuturo (未来)
マリアナ・アルカンタラ絵 Alboroto 2022
El día que el zorro vino volando(キツネが飛んできた日)
イッサ・ワタナベ挿絵 Fondo de cultura económica 2024
Empecé /Planeta 2017
そして最後に、10月に実業之日本社から翻訳が刊行される予定の『ティーとカメレオン ふたりはいつだっていっしょ』鹿島孝一郎原作・絵
最後の質問タイムでは、フェラーダさんの作品世界をさらによく理解できるようなご質問を会場からいただいて、とてもよい時間になりました。
フェラーダさんと日本の読者とのすばらしい出会いの場となり、とてもうれしかったです。
このイベントはアーカイブ配信の申し込みも受け付けていますので、見てみようという方は、下記のリンクからお申し込みください。2025年9月20日までです。
イベントの翌日、一緒にちひろ美術館・東京に行き、展示を楽しみました。
近いうちにまた日本かどこかの国でお会いできるよう、また願わくば、フェラーダさんの作品をもっと日本で紹介していけるよう願っています。
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